■平成19年度青森県公立高校入試総評

平成19年度青森県公立高校入試総評
【国 語】 本年度の国語は、全体としては昨年の傾向を踏襲するものでした。いわゆる「受験対策」をしにくい、「思考能力」と「問題解決能力」が問われる内容が多くなっています。例えば、大問3の(3)は、分りにくい文章を書き直させる、という論理的思考を問う問題でした。慣れない問題形式に戸惑ったのではないでしょうか。また、昨年度は記述式問題が20字以内、30字以内というボリュームで2題出題されましたが、今年度も同様、大問4に2題(それぞれ20字以内、35字以内)で出題されています。この傾向は来年も続くと思われます。
大問2の漢字や、大問5の漢文は、例年並か、平易でした。
大問6の作文(配点10点)は、新傾向でした。昨年までは、例えば「困っている人に、私ができること」(平成17年度)や、「水について」(平成18年度)、第一段落は見聞・体験、第二段落は自分の考えを述べる、というものでした。漢字や慣用句、原稿用紙の使い方、論理的整合性にさえ気を配れば、得点しやすいセクションでした。しかし今年度は、短文を読み、第一段落では考えたこと、第二段落ではその理由を書く、というものでした。自分の作る文章内での整合性だけでなく、課題文との整合性をも考えながら文章をつくらなければならないので、難易度は明らかに上がっています。
以上から、今年度の平均得点は、やや下がると思われます。
佐藤

【英 語】  大問1のリスニングの問題は問題数、配点ともに変更はありませんでした。絵の中から選ぶ形式は直前講習でもやりましたね。ただ、放送された英文が速くメモをとりにくかった生徒が多く、昨年より難しいと感じた生徒が多いようでした。リスニングの問題は、日時、場所等の新情報は内容をメモしておく必要があります。特に(1)のウの円グラフの問題のように比べる対象がいくつかある場合にこのメモが役立ちます。同じように(2)の留守電の内容では、重要事項は強く読まれますので忘れずにメモを取りましょう。集合時間や合計人数の問題では必要です。(3)も語数は前年度とほぼ同じでしたが電車の到着時刻の差を、求める問題などはメモがなければ難しい問題でした。
 大問2の去年から出題傾向の変わった条件英作文の問題の(1)ではテレビと新聞のよさを指定された語を使って書く問題でした。語数指定が去年より増えていました。(2)の自分の住んでいる所のよさを紹介する問題は、塾生は国語の作文の授業で一度書いた内容でしたね。自分の作ろうとする文に、S,Vマークをつけて英作文すればよかったのです。しかし、設問の意味を理解し、英文を作るまで予想外に時間がかかった生徒が多くいたようでした。
 大問3の対話を完成させる問題は表を使いながら必要とする日までに、本を手に入れるための発送方法や送料を考える問題でした。話の流れをつかむまで時間がかかったようでした。対話を完成する英作文でも、今までのように前後の文だけではなく、もう少し広く読んで流れをつかんでから英文を作らなければならないものもありました。ここも去年から見ると少し難しかったようです。
 大問4のスピーチを題材とした問題は形式、難度ともほぼ去年と同じ内容でした。この問題も直前講習で似た内容の問題ををやりましたね。聞かれた英文の動詞に注意して正しく答えることができたでしょうか。
 大問5の長文はある国の王様が自分の跡継ぎを見つける内容の長文でした。ここに来るまでにすでに他の問題で時間を使って、十分な時間がなかった生徒が多く見られました。文章も去年から1割ほど語数が増えて420語ほどの長さに加え、下の訳注を見ながら意味を追っていくのに苦労したようでした。
 全般的に今回の英語は、去年より問題が難化傾向にあり、生徒の自己採点も厳しめでした。 今年も去年同様これから入試を迎える方のために英語の勉強方法のアドバイスをします。
蝦名

【数 学】 今年の高校入試の数学の問題は,去年に比べて、比較的に易しかったと思います。ほとんどが基本的問題でした。絶対ミスは許されません。正確な計算力を身につけましょう。
難しかった問題の解説を掲載しますので、参考にして下さい。

大問4の(3)は、tを正の数として、
A(t,2t+1) C(−t,2t+1)
B(−2t,−4t+1) D(2t,−4t+1)
より高さは 2t+1−(−4t+1)=6t
  凾`CB+凾`BDの面積は
 1/2(2t×6t+4t×6t)=81/2
よって t=3/2
 A(3/2,4)
 B(−3,−5)をAに代入して、b=−5/9

大問5の(3)は、規則性を見つけると簡単に解けます。列に着目すると、
1列目 ●○●○●○●○●○より
  1列×1回目=●  1列×2回目=○
  1列×3回目=●  1列×4回目=○
 奇数回目は●、偶数回目は○より 1×99=●
同様に、2列目 ○●●○○●●○○●より
  2×1=● 2×2=○ 2×3=● 2×4=○
  99=2×49+1 49は奇数なので●
以下、3列目 ○○●●●○○○●●●○より
  3×1=● 3×2=○ 3×3=● 2×4=○
  99=3×33 33は奇数なので●
 4列目 ○○○●●●●○○○○●●より
  4×1=● 4×2=○ 4×3=● 4×4=○
  99=4×24+3 24は偶数なので○

来年はもう少し難しくなると思います。来年受験する皆さんは応用問題も十分練習する必要があります。
山ア

【社 会】
[地理] 本年度の地理は、教科書の内容以外に、例年通り資料やグラフの問題が出題されました。問題の数字を答えるだけでなく、地方名や県庁所在地、産業の特徴を覚えていなければ対処できない問題でした。また、合併後の県内の市町村についても出題されました。
[歴史]「直前講習で習った問題がそのままでた。」と塾生から報告がありました。大問4の資料1は直前講習1日目と同じ資料でした。(5)のアの問題は、川上音次郎がポイント。Jウで解答が導き出されます。
[公民]大問3POSシステムは平成18年度発行の教科書では記載されておらず、平成19年度発行版ではP117「バーコードの秘密」で説明されています。大問7のウは、入荷量が月別によって異なることから2が導き出されます。本年度の入試では短文で答えを求める問題が7問、計23点出題されました。この傾向は来年度も続くと思われます。英進塾ではこれに対応した問題を作成していきます。
沼田
中村

 
【理 科】 本年度の理科は、「実験結果をきちんと理解しているか。」「グラフや模式図を読み取ることができるか。」「公式を用いる計算ができるか。」以上の3点を中心に、理解度を問う出題になりました。
計算問題では、大問1の(4)でグラフから地震の波が150qの距離に20秒かかっていることを読み取り「150:270=20:]」の式から求めた36秒をグラフの原点「8時11分50秒」にたして求める問題でした。
大問2(2)も「水素:酸素=2:1」の比から30個の水素分子に対して、酸素分子が15個必要であることを求め、足りないのは酸素分子5個だとわかります。
大問4の(3)のウも同様に「酸化銅:酸素」の比から求めた酸素0.8gに二酸化炭素0.3gを足して1.1g。といったように、計算はいずれも簡単に解けますが、求めた数値から解答まで一工夫が必要でした。試験液については、BTB溶液の色の変化。ベネジクト液の反応を見るためには「加熱」しなければならないこと。など基本的な出題でした。
生物分野は、減数分裂で半分になった染色体と、受精で親と同じ数になった染色体を図に表す問題でした。
その他「天気図」「太陽の動きの模式図」「電流回路」「音の記録」についても、基本的な内容の出題でした。そのため本年度の理科の平均点は、例年より高くなりそうです。
沼田
中村