■平成24年度青森県公立高校入試総評

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平成24年度・前期選抜学力検査問題
平成24年度前期選抜合格者数及び後期選抜募集人員
平成24年度後期選抜出願状況
平成24年度後期選抜学力検査問題

平成24年度青森県公立高校入試総評
【国 語】 全体的に平易であったので、抜き出し問題などで確実に得点できるかがカギ。
大問2の漢字は、(2)の5問が選択肢問題であるという昨年、一昨年の形式を踏襲。難易度は昨年程度。
大問3は、昨年に引き続き文法問題である。(1)は「に」の見分け。格助詞を探せるか。(2)は、尊敬語への書き換え、(3)レポートの趣旨に合わないものを選ぶ。解きやすい。
大問4には、『正法眼蔵随聞記』から古文がとりあげられた。昨年が漢文だったので、青森県の伝統である「古文と漢文が一年おきに交互に出題される」という傾向に沿っている。教科書で学習している内容ではないが、現代語訳がつけられていたので、落ち着いて問題に取り組めばさほど難しくない。(1)は、主人公「帝」の気持ちを読み取る。「随ふ臣なくんば、その詮なきなり」から、「周りの部下が自分についてくることができないと無意味だから」を選ぶ。(2)現代仮名遣いにあらためる問題。「すべてひらがな」という指示に従い、漢字かな混じりにしてはいけない。(3)の抜き出しは語数指定があり解きやすい。
大問5は、論説文。昨年度の石黒浩「ロボットとは何か」が、内容も平易で読みやすかったのに比べれば、内容自体はやや難しい。昨年は記述(4)と(5)の2題であったのに対し、(4)の一題だけとなった。難易度もそれほど高くない。
大問6は、竹内真の小説、「自転車冒険記 12歳の助走」。昨年は25字以内、35字以内の記述問題が2題あったが、今年は25字以内の記述がひとつだけ。4点配点でフルマークは難しいにしても、部分点2点は取りやすい。
大問7は毎年出題されている200字作文。最近の傾向に沿い、グラフを読み取る問題。テーマも「形容詞の語幹を使った言い方」について、という時流に沿ったもの。「寒っ」と「うるさっ」の差異に注目してしまうと説明が困難なので、「だんだんと一般的になり、万人に受け入れられつつある」というような、書きやすい方向を見定められるかどうかがカギ。
記述問題が少なくなっているのは受験生にとっては楽だが、部分点の入る余地も同時に少なくなるということなので、基礎的な問題で点数が取れなければ大崩れの可能性もある。とはいえ難易度は確実に下がっているので、今年度の受験者平均点は、昨年比でやや上がるであろう。

佐藤

【英 語】 全訳つき解説 大問1のリスニング(1)の問題は例年通り絵の中から選ぶ問題が3問中2問は例年通りの出題で した。(2)は、選択肢に注目して、必要なことをメモしておくことが必要でした。放送された英文が昨年 の114語から今年は98語に若干少なくなりましたが、内容はほぼ例年並です。(3)の対話文では、 アメリカに住んでいるマイクとようこが今晩の予定について話しています。 難易度は平年並みで す。
大問2の(1)は並べ替え英作文です。ア「〜まで」のuntilは覚えていましたか。イは丁寧に勧める Would you like〜?、ウは動名詞 using を主語にする英作文でした。(2)の自由英作文は例年通り15 語以上の条件でした。「学校に来た留学生と一緒に過ごすために、誘うための」文章を作る問題でし た。内容は、比較的普段から練習している内容でした。
大問3は、2つの対話文補充と3つの英作文で、昨年と同じ内容でした。前後の文から会話が成 立する文を探す問題です。アでは次に「はい、どうぞ。」と何かを渡していますから、「それを見せてく ださい」と相手にお願いする文がきます。イでは次の文が「私はたいてい毎日学校へ歩いて通いまし た。」と学校への交通手段が答えとなっているので、「あなたはどうやって学校に通っていました。」と いう疑問文が必要になります。ウでは次の文が「彼らは教室を掃除しているところです。」と、現在進 行形の文が続いていますので、これが答えとなるように、疑問文も現在進行形にすることに注目しなければなりません。
 大問4は、ユウタが国際宇宙ステーションについて英語の授業で行ったスピーチについてでした。 形式は例年と同じ内容でした。(2)の疑問文中の主語や動詞の種類に注意し、疑問詞に対する答えを探して英文を作る必要があります。(3)の英作文は相手に許可を求める May(/Can) I 動詞の原形 〜? 「いますか?」というところで there is 〜の疑問文ということに気がついたでしょうか。
大問5は、去年より長文の語数が465語から443語になりました。ホワイト先生が生徒たちとの登 山についての文章です。形式は例年と同じでした。 (1)の英文を完成する問題は、選択肢の話題がどこの段落かをまず探し、そこから当てはまるところを詳しく意味を調べます。(2)の適語補充の問題は文の前後から必要なのは「どんな語」であるのか探す必要があります。(3)は英文の指示語が前文のどこを指すのかしっかり見つけましょう。出題形式、問題量とも若干の増減はありましたが難易度は例年通りだと思います。
蝦名


【数 学】 
1 標本調査が出題された以外は教科書の基本レベルの問題でした。
2 √の自然数や樹形図の確率は例年通りですが,めずらしく作図がここで出題されました。   「円の弦は直径が一番長い」という性質から,「ABの垂直二等分線」がひけましたか?「ABの垂直二等分線=AB間が等距離」とだけ覚えていた人は難しかったと思います。
3 「(1)連立方程式』と『(2)相似と三平方の定理の図形」  (1)χ,yを何にするか指示された連立方程式の文章問題。2式とも数値を変えた同じ式なので,1本 目の式が作れた人は解けたと思います。
 (2) ア:相似証明は<対頂角・錯角・2組の角>の基本パターンで,    イ:角の二等分線が正確ではなかったので目分量で予測すると失敗します。答えを出した人は少し不安だったと思います。      BG=GF=χcmと,AG=(4-χ)cmで三平方の定理という典型的パターンでした。
4 「二次関数・一次関数の融合」
 『(1) A(8,8)を代入,(2) A(8,8),C(-4,2)の2点を通る直線,(3)△OBCと△ABCの和,(4)面積が8となる直線Aとy軸と囲む比例の直線』関数分野ではめずらしく教科書レベルを超えない問題でした。
5 「円周角と弧の長さの比例関係」と「χ秒が決められた動点」
  秒数が決められていた分,動点問題が苦手な人もイメージしやすかったのではないでしょうか。   最後の問題も,20秒後と決められていたので,『式:3(20-a)=40』と式が作りやすく図も書きやす かったと思います。
佐々木

【社 会】


<<地理>>
大問1は世界地理の問題。
(1)の距離や(2)略地図に関する問題は基本問題で解きやすい。(3)アのマレーシアの国名を略地図から読み取る問題は東南アジアの基本的な問題で解きやすい。イのマレーシアが所属する気候帯の特色を踏まえて家屋の特徴を述べる記述問題は、それほどむずかしくはない。ウの資料を読み取りグラフを作成する問題は、資料を落ち着いて読み取り、グラフに表す力が求められた。エのオーストラリアの所属する州の問題は世界のすがたの基本的な問題。(4)は、森林面積の割合や木材伐採高の問題からあてはまる国を導く問題。グラフの違いを読み取り、国名を導く力が求められた。
大問2は日本地理の問題。(1)、(2)アは日本のすがたに関する問題、それぞれ標準時子午線と県庁所在地の問題。日本地図をしっかりと頭に入れているかどうかで、大きく得点率が異なる。(2)イは図から水田の地図記号と資料から年降水量が少ないことに着目できるとよい。(3)は、都道府県の調査「東京都」で習得した知識を使った基本的な問題。(4)aの果実の産出額が全国上位の略地図は平易。dの石油製品・石炭製品の製造出荷額は難しい。輸入に不便な内陸の県を含む選択肢を消去法で消していくと、正解にたどり着きやすかったのではないか。



<<歴史・公民>>

 歴史は例年通り、1年生で学習する分野と2年生で習う分野が半々で出題されています。しかし、3は室町〜江戸時代、4が日清戦争(1894)〜第1次世界大戦(1914)までと範囲は非常にせまくなっています。広く浅く学習した生徒には不利な内容かもしれません。また、記述式の問題が3(3)と4(3)の2題ですが、どちらも試験などでも見ない問題であり、教科書の内容を正確に覚えていないと書けないようになっています。全体的に見て、歴史は難しかったと思います。

<<公民>> 5が人権に関する問題、6が経済に関する問題、7が歴史と公民の融合問題が出題されていました。用語を答えさせる問題は、テストなどよく出る語句なので答えやすかったと思います。反対に選択問題は難しくなっています。5(5)1は、「予算を作成」が内閣の仕事だから、間違いの文章になりますが、国会=予算で覚えていると答えがだせなくなります。また、資料を読み取る問題が2題だされています。直前講習でも同じような問題をやっていますので、落ち着いてとければ大丈夫です。< br> 高得点を取るためには細かいところまで覚えてないといけない内容なので、公民の難易度は高くないと思いますが、高得点をあげる受験生は少ないかもしれません。
猪股

 
【理 科】
<<2分野>>

全体的にやや点数がとりにくい問題だった。
大問1は、昨年に引き続き小問題集。移行措置から「シソチョウ」の問題や、地球型惑星と木星型惑星の特徴を選ぶ問題、グラフ無しで湿度を考える問題など、難敵がそろっている。
大問3は、自然界の循環の問題。正確な理解を求められる問題で、難易度は高め。(4)の、二酸化炭素が温暖化に寄与する特性も書きにくかったろう。
大問6は火山、岩石の問題。鉱物の洗い方や、造岩鉱物の「割れ方」など、ここにも難問があった。 計算を要したり、あからさまな難問は無いかわり、受験生が見落としがちなところが狙われたので、平均点は伸びないと思われる。
佐藤

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2は1分野小問集で、基本的事項の確認です。ただし(4)は、つり合う力なので、2力の合力と反対向きの矢印になります。4はマグネシウムと銅の酸化の問題です。(1)マグネシウム、(2)は銅の酸化に問われています。(3)はマグネシウムと銅の質量が同じことで、方程式を作らなければなりません。すこし難しいです。5は放電管の問題です。電子は−極から+極へ流れることを頭に入れて解くと良いでしょう。7は水の電気分解です。その中に電流の基本的な問題が入っています。  
全体的には、計算問題もあり、きちんと勉強していなければ解けないと思います。
山ア